FPの実践ブログ

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朝倉智也氏の「『iDeco』で自分年金を作る」を読んで

「個人型確定拠出年金の超・実践的活用術」という副題

確定拠出年金の書籍は、10冊以上読んでいるので、マニアのような状態(笑)になっていますが、今回も、買いました。

 

先日も公務員向けに個人型確定拠出年金のことで書いた時にちょっと触れた朝倉智也氏の本です。朝倉智也氏監修の確定拠出年金の本があってそれを買おうかなと思っていたら、新書で新しく出版されることを聞きまして、それなら、それを待ってから新しい日付の書籍のほうがいいしと思いまして、待っておりました。

 

ですので、初版第1刷の書籍です。

 

個人型確定拠出年金については、本当に数多くの書籍が出ています。しかし、著者によって、得意分野、不得意分野があります。

 

制度に関してしっかりした説明があるものや、個人個人の家族構成、年齢、ライフプランが違うので、そちらの説明があるものや、投資に関して詳しいものなど、一見すると同じことを書いているようでも、そして確定拠出年金という同じくくりでも違いがあるのです。

 

朝倉智也氏の場合は、制度の説明よりも、投資に関してですね。得意分野は。サブタイトルに「超・実践的活用術」とあることからもわかるように、どちらかと言うと、確定拠出年金ってどんな制度なのだろう、加入の方法は?というよりは、確定拠出年金をやること前提、での書籍となります。

合法的に節税しよう

序章は制度説明、現状説明ですが、序章の次にくる第1章のタイトルは、「合法的に誰でも節税できる!」です。確定拠出年金は、一部の人に言わせると、「合法的なタックスヘイブン」ですからね。

 

後半に向かうにつれ、個人型確定拠出年金での運用商品の選び方や金融機関の選び方など、具体的になっていきますし、そちらのほうが筆運びがスムーズになっているように感じました。

 

この「『iDeco』で自分年金を作る」の前半は、日本の状況、暗めの話になっています。成長しない日本経済とか、少子化とか。

 

特に年金扶養比率のことや、社会保障の世代間損得勘定の部分は金融機関寄りの話になっているなと感じました。年金扶養比率も、高齢者が働かないという前提のように感じますし(厚生年金保険に加入しながら、在職老齢年金をもらう人もいるし、これからは70歳、80歳でも働く人が増えそう)、損得勘定の部分では年金保険料を払うより、もらうほうが少ない金額だと誤解をまねきそうです。

 

年金を受け取るときには、現在は、半分が国庫負担となっていますし、厚生年金にいたっては厚生年金保険料は労使折半です。あの表をみてしまうと、払った分は元がとれない(貯金ではなく、年金「保険」なので積立という概念で考えるのもどうかと思いますが)と勘違いしやすいです。年金保険料払わないという選択をしないようにしてもらいたいものです。老後生活から、ごそっと年金支給分がなくなったら、生活できないですからね。

 

公的年金だけでは不十分であることには同意しますが、金融機関の営業の人にありがちな、不安を煽って投資をしないとこれからはいけない(=投資信託買って)とか、年金が危ないから生命保険に入ろう!とガンガン勧めるのも、どうかと思うのです(不安を煽れば営業やりやすいというのも理解できますが)。

 

具体名が出る後半部分が面白く読めました

余談はさておき、後半になればなるほどかなり面白く読めました。

 

年齢によるポートフォリオの組み方とか、具体的な商品名も出てきます。確定拠出年金は、定期預金なんかではなく、投資信託がいいですからね。しかし、投資信託と一言でいってもいろいろありますからどうやって選んだらいいのかが、加入後の悩みです。

 

モーニングスターの宣伝になりますが(笑)下の写真を見ていただくとわかるように、モーニングスターのページではこのように、30歳から60歳までの30年で2000万円にしたい、という場合、利回りはどれくらいかということが簡単に計算できるようになっています。

 

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 具体的に数字を入れますと、この場合は4%だとか、3%だとか出てきますから、今の定期預金の利息では、到底無理だとわかります。いくら元本確保型とはいえ、0.010%では。。。

 

朝倉智也氏の書籍の中では、主に、50歳以降と50歳より前の若い世代とでは考え方を変えるのがいいようです(50歳以降は債券の比率が多くなる)。運用期間が10年以上なら、100パー株式の投資信託でポートフォリオを考えろと。

 

それと、日本株式の投資信託よりは海外資産を多めにするように勧めています。今後の成長、という点ではどうしても海外になりますよね。

低コストがおすすめだけど、「究極の分散投資のポートフォリオ」もあるそうで 

「『iDeco』で自分年金を作る」の中でも、170ページ171ページに、低コストのインデックスファンドでのポートフォリオの具体例が出ています。SBI証券ならDCニッセイ外国株式インデックスファンドとこれとこれ、楽天証券なら、たわらノーロード先進国株式とこれとこれ、というように具体的な商品名です。

 

さらには、191ページに、「究極の分散投資のポートフォリオ」というものが出ているのです。確定拠出年金として考えると、私としては商品数が多いなぁという感想なのですが、どうでしょうね。

 

なお、ポートフォリオですが、毎日資産配分を考えろとは言いませんが、年に1回くらいは資産構成をチェックして、3年に1度くらいはリバランスしましょうね。

 

個人型確定拠出年金で初めて投資の世界に足を踏み入れる場合、投資に関しては投資信託に興味を持つのが第1歩ですが、やってみれば、世界経済はどうなのだろう、新興国市場はどうなのかなと、経済に関心を持つようになっていきますよ。

 

それにはなるべく年に1回くらいは投資のことを考える(年始のときはチャンスかと)のもいいのではないかと思うんですよ。今は新興国よりも先進国株式が調子がいいぞとか、これからは新興国が来るぞとか、もしかしたら、日本の株式市場がイケイケドンドンになるかもしれないし(日経平均が○○円突破とか)と、考える機会になるといいなと思います。

 

新書ですので、値段もお手頃ですし、通勤時間に読めそうな分量ですよ。個人型確定拠出年金を実際にやろうとしている人は、どうぞ。

 

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