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小規模企業共済とは、中退共とは

小規模企業共済から

先日、小規模企業共済と中退共に関する研修会に参加してきました。

 

30分ごと、両方で、1時間程度でしたので、ほんのさわり程度でしたが、かえってこれくらいのほうが基本的なところがわかるかと思い、どんなことだったのか、書いておきたいと思います。

目次

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小規模企業共済とは、簡単にいえば、創業者のためのセーフティーネットです。

 

 

経営者のための退職金制度であり、万一のときの備えであります。

(これは、共済金や解約手当金の受給権は差押禁止ということもあります)。

 

もっと長くいいますと、小規模の個人事業主や小規模会社の役員の方が退職したり、事業をやめたりした場合のための資金です。

 

共済金は分割でも受け取ることができるので、老後の生活資金として活用できます。共済加入者には貸付制度もありますが、今回はそこの説明は省略します。

 

加入できる人は

経営者のための退職金制度ですが、年齢による制限がないのが特徴です。個人型確定拠出年金は年齢制限ありますね。

 

常時使用する従業員が原則20人以下の個人事業主(共同経営者含む)と、会社などの役員です。但し、宿泊業、娯楽業を除くサービス業と商業では従業員が5人以下という制限があります(その他、弁護士法人など士業法人場合は5人以下など、細かい決まりあり)。

 

医療法人や社会福祉法人、NPO法人など直接の営利目的としない法人の役員などは加入できません。不動産経営のような兼業の会社員(給与所得者)も加入できません。常時雇用されている人ですね。全部あげていきますと、かなり細かいところになりますので、今回の概略では省略しますが、加入時の相談で聞いてみてください。

 

2つ以上事業を行っている事業主の場合は、主たる事業のほうで加入となります。上記の従業員数制限をよく見て下さい。

 

掛金について

掛金は、月々1,000円から70,000円の範囲で、500円単位という比較的柔軟な設計です。加入してから、増額も、減額もできます。

 

毎月の掛金は口座振替で、契約者自身の口座から引き落としになります。掛金の払込方法は、毎月払い、半年払い、年払いから選択できます。これらは加入してから、変更もできます。

 

申込時に現金払いもできますし、申込時は現金を添えず口座からの引き落としということもできますが、ただし、11月に申込した人は1月に3ヶ月分(11月分、12月分、1月分)口座から引き落としとなります(口座振替に時間がかかるため)。そのため、どうしても今年中に掛金を払いたいという人は、申込時は現金をそえて、それ以降は間に合う時期から口座から引き落としにするといいかと思いますよ。

 

掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として、課税対象所得から控除できます。しかし、自分の会社の事業上での損金、または必要経費にはなりません。

 

確定申告の申告書でいうと、社会保険料控除の欄と、生命保険料控除の欄の間に、この小規模企業共済等掛金控除の欄があります。あくまでも、個人で加入している、という捉え方ですね。

 

課税対象所得から控除できるということは、節税効果もあります。

受取は

受取は、「一括」、「分割(10年、15年)」、「一括と分割の併用」と3種類あります。

 

分割受取の受取月は、1月、3月、5月、7月、9月、11月の奇数月です。国の年金が偶数月払いですから、併用すれば毎月になりますね。

 

ただし、分割受取ができるのは、60歳以上であること、共済金の額が300万円以上の共済金Aもしくは共済金Bとなります。

 

この共済金Aとか、共済金Bとか、準共済金とは、掛金額、加入期間、共済事由(個人事業の廃止、会社の解散など理由のことですね)によって異なりますので、これも加入時に聞いておくといいです。しかし、事業廃止だとか、事業主の死亡だとか、先のことはどうなるのか誰もわからないことですが。

 

任意解約などで解約手当金を受取る場合は、240ヶ月(20年)未満の場合、掛金合計より下回ります。さらに納付月数が12ヶ月未満ですと、準共済金、解約手当金は受取できません。共済金Aと共済金Bは、納付月数6ヶ月未満の場合、受取ができません。

 

受け取り時、一括受取は退職所得扱いですし、分割受取は公的年金等の雑所得扱いになります。

 

上記のように、共済事由によっては受取ができないとか、掛金合計より少なくなってしまう場合もあるので、疑問点はよく聞いてから加入しましょう。加入は、商工会、商工会議所、青色申告会などを通じてもできますので、よく説明をきいておくといいでしょうね。

 

 

中小企業退職金共済とは、従業員のための退職金制度

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さっそく中小企業退職金共済制度の話です。

中退共制度加入のメリット

これは国もバックアップしている制度なのです。なぜなら、退職金制度が十分とはいえない中小企業のために、国も援助することで中小企業の従業員の雇用の安定にも役立つからです。そうすることで、中小企業の振興に寄与するってことです。

 

国がバックアップしている、ということをまずお伝えしておきますと。国が掛金の一部を助成しているのです。新規加入なら1年間最高6万円になります。

国の助成あり

初めて中退共制度に加入する事業主には、掛金月額の半分を加入後4ヶ月目から1年間、国が助成するのです(従業員ごとに5,000円の上限あり)。パートさんなど短期時間労働者は特例掛金と言って、もう少し少ない掛金なのですが、こちらは掛金月額の半分だけでなく、さらにプラスされます(月額2,000円なら半分の1,000円プラス300円など)。

 

新規加入助成だけでなく、月額変更助成もあります。

毎月18,000円以下の掛金月額の場合、これを増額しよう!という事業主に対しては増額分の3分の1を増額月から1年間、国が助成します(2万円以上の掛金月額の場合は、ダメってことですね)。

 

従業員ごとの掛金月額はいつでも増額できます。ただ、減額する場合は、一定の要件があります。

 

これは知らない会社が多いみたいなのですが、国から助成のみならず、市区町村による補助制度もあるのですよ。

 

埼玉県でいえば、川越市、所沢市、蕨市など。東京なら、荒川区、葛飾区、府中市など。神奈川県は比較的多いですね。

 

平成28年3月現在で、278地域です。補助が出る条件など、自治体によってさまざまなので、事業所のある市区町村に確認ください。

助成自治体については、最新のものは、中退共のページで確認してみてください。

 

中退共 助成自治体

 

国プラス地方自治体で、かなり助かるのではないでしょうか。

 掛金は非課税

税法上の特典もあります。掛金は、法人なら損金に、個人事業主の場合は必要経費として全額非課税です。詳しいことは、税理士さんに。

退職金は直接、従業員にいく

これは管理が簡単ということでもありますが、中退共から直接、退職者の銀行口座に振り込みします。退職金として積み立てても、会社が使ってしまっては元も子もないですよね。

 

これは、かなり厳格で、事業主が従業員の代わりに受け取る、ということはできません。従業員が死亡で退職となった場合は、遺族にいきます。

 

毎月の掛金は口座振替ですから手間がかかりませんし、従業員ごとの退職金試算額もお知らせがくるそうなので、わかりやすいです。

 

自分の会社で退職金制度を作って、それを管理して、資金を運用してとなるとかなり面倒ですからね。

 

この他に、通算制度もありますので、過去に中退共制度に入っていた企業にお勤めの人が転職した場合、通算できますし、事業主がはじめて、中退共に入った場合、過去からその企業に勤務していた従業員に対しては、加入前の勤務期間を通算できます(新規加入時のみ)。

 

加入するには、中小企業なので条件あり

中小企業を支援するものなので、大企業は入れません。中小企業といっても、業種によっての制限もあります。

 

一般業種は、常用従業員300人以下、または、資本金3億円以下です。「または」、なので、どちらかに当てはまっていればOKです。

 

卸売業は、常用従業員100人以下、または、資本金1億円以下。

サービス業は、常用従業員100人以下、または、資本金5000万円以下

小売業は、常用従業員50人以下、または、資本金5000万円以下

 

常用従業員は、常時雇用する従業員のことで、細かい決まりがあります。雇用期間2が月を越えて雇用されているとか、1週間の所定労働時間が通常の従業員とおおむね同等とか。細かいことは直接聞いてもらうとして、重要なことがあります。

 

従業員は原則として、全員加入です。この人は加入させて、この人は気に食わないから加入させない、ということはできないのです。

 

ただ、これは従業員のための制度なので、この前書きました小規模企業共済とは違い、事業主とか、法人の役員は加入できません。

 

ざっくりとした説明なので、詳しいことは、

http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/index.html

独立行政法人勤労者退職金共済機構の中退共事業本部へ(本部は、池袋駅から近いですね)。土日祝を除く、9時から5時まで、とのことです。