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『マンションは学区で選びなさい』の感想と東京の学校や教育環境を考えた

マンションといえば沖有人氏ですが、教育環境とマンションの切り口で

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私は宅建士も持っている身でもありますので、沖有人氏のご尊名はかねてより知っておりました。タワーマンションとか、空き家関係のことで、ですね。

 

 

タワマン節税などで名前を知った人が多いのでしょうが、私の場合は、空き家のことで、著作を読んだことがあります。今回の著作はマンションであります。

 

それも、子どもの教育に熱心なご家庭なら、うっすらとは知っているはずの学区と教育環境をからめて書いてある話です。なので首都圏が中心の話です。

 

私の年齢でも学区や小学校を選ぶご家庭はありました。私の友人に千代田区の番町小学校地区に住む人がいました。生まれた時からその場所住みなのですが、その小学校にかよっていたとき、遠くの区域からその小学校にかよっていた子どもがいたそうです。越境入学ですね。

 

子どもにとっては教育環境が大事だからこそ、住む地域を決めてからマンションを

孟母三遷ではございませんが、子どもにとって教育環境は非常に大事です。

 

水は低きに流れるように、周りがゲームだとか、漫画だとかに走っていますと、どんなに意思が強くても、勉強よりは遊んでしまいます。

 

クラスのなかで、ただ一人、私立中学の入試のために勉強する、という環境よりは、まわりのみんなが中学受験がデフォの状態でしたら、それが当然のことと思ってしまいます。

 

ですから、自分の子どもには、教育をつけさせたい親にとって、最初は教育を、というよりは、教育環境を与えるというのが大事でしょう。

 

子どもだけではありません。親の付き合い、周りが中学受験が当然のところと、中学受験はほとんどいないところでは、親の価値観も違うでしょう。「そんなに教育熱心でどうするの」とか、「小さいうちに勉強、勉強では子どもがかわいそう」といわれることもあるからです。

 

それと多くのご家庭にとっては、小学校から私立に通わせるような「お受験」よりは、自分の子どもには中学受験を頑張ってもらい、中学から私立もしくは国立の中学校にかよってほしいと思うものです(これもなんとなくですが、小学校からよりは、中学校から、のほうが学力を表しているイメージ。お受験は学力よりも、その学校独自の問題が解けるということが重視されるイメージ)。

 

公立小学校から私立・国立中学に進学したいのなら、公立小学校においては周りの環境に左右されます。

 

小学校によって違ってくる中学受験率(たとえ隣の小学校でも違う)

 

私の甥っ子は、小学校時代はサッカークラブにも所属して運動方面にも興味がありましたが、中学受験をしました。男子御三家や慶應の付属に合格しましたが、埼玉県であっても新しいマンションが多い地区に住んでいましたので、付近のほかの小学校に比べて、中学受験率は高い小学校でした。

 

なぜ新しいマンションが多い地区だと中学受験が多いのか?

 

昔から住んでいる人がほとんどいない新しく駅が作られた場所だったのですが、そのような都市計画された場所の不動産価格は分譲マンションでも賃貸でも、高くなりがちです(事実値段の高いマンションが多かった)。新浦安とか、幕張を思い浮かべるとわかるかと。

 

それだけの住居費が払えるご家庭となると、引っ越ししてくる家庭の年収は高くなりがちです。年収が高めの人たちですと、似たような学歴の人が多くなります。似た学歴の人たちですと、おのずと教育に対する考え方も近い人が多くなるという傾向なのです。

 

それでも都内の文京区あたりの小学校と比べますと、どうしても受験率は低いです。ちなみに、中学に合格後、私の妹=甥っ子の母は、文京区に自宅があるお母さんと友達になりまして、文京区ではどれくらいの子どもが中学受験するの?と聞いたことがあったそうです。

 

その時の答えが、9割は受験する、だったのです。統計を取ったわけでもないですが、ばくぜんとそのような感覚だったのですね。

 

今回、この『マンションは学区で選びなさい』を読みましたところ、冒頭の「はじめに」の部分にまさに、そのことが書いてありました。文京区のある地区での国立・私立中学の受験率が書いてありまして、「2月1日の都内の中学受験日には6年生の9割が受験で学校を休むと言われる」とあって、たんなるイメージとか、肌感覚のようなものでなく、実際にそうだったのだなと納得した次第です。

 

この『マンションは学区で選びなさい』という本は、かなり数字化して書かれています。「なんとなくのイメージ」とか、「ウワサではこのようだ」というものがけっこう明確化されますので、読んでいて「やっぱりね」と納得する部分が多かったです。

 

だから教育熱心な地区に住むご家庭にとっては、「なんとなく」知っていた、ということばかりでしょう。

学歴と平均年収の相関関係、そして学区と年収へ

そればかりではありません。他の道府県に住む人でも「高学歴ほど年収が高くなる」というのは、イメージできるのではありませんか。

 

学歴と平均年収の相関関係は、否定したい人はたくさんいるとは思いますが、相関関係ありますよね。

 

もちろん例外はあります。中卒でも商才に長けて、財を成す人もいます。大学院まで出てもまったく稼げない人もいます。しかし、統計は統計です。数字には現れます。

 

沖有人氏は、国勢調査や「住宅・土地統計調査」のようなものを使い、学問と平均年収の相関関係をグラフ化しています。

 

さらには、これらの統計に教育委員会の調査を加えることで平均世帯年収と中学受験の相関関係も導きだしています。

 

 

子どもに職業選択の幅を広く与えるためにも教育は大事

 

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私の妹=御三家中学に行っていた甥っ子の母は、高学歴でないとダメ!というよりも、自分の子どもには、多くの職業を選べるような教育をつけさせたいと思っていました。学歴がないばかりに医者になりたかったのに、なれなかった(これは極端な例ですが)のような思いをさせたくないということです。

 

学ぶのに遅すぎることはないと思っていますが、あとになってから、学問の大事さを知ったとして、それから挽回しようとしても手遅れとなることもあるのです。

 

たとえば、司法試験だって、何歳から受験してもいいのですが、法科大学院に合格して、司法試験に合格して、研修も済んだが自分がイソ弁として受け入れてくれる弁護士事務所がどこもない!ということもありえます(よほど経歴が素晴らしくて、それでもいいと受け入れてくれる事務所もあるでしょうが)。

 

それくらい人生全体の話でなくても、国立の有名な中学の場合、学区制を引いていますから、住む場所によっては(あまりにも遠い場所から通学させないため)、中学受験する受験の機会さえ無い、受験させてもらえない、ということもあるのです(この意味でもマンション買う時は場所に注意が必要なのですけど)。

 

同様に長いスパンの話ではありませんが、今、東大合格者が多いと言われている鉄緑会という塾ですが、そこは指定校制度なので、どの中学に合格したかによって、鉄緑会への入塾機会もない、入塾テストが受けられない、ということもあります(鉄緑会にいると塾の先生も東大理三だったりするので、普通に感じてくる状態なのですって。まさに「孟母三遷」で求める環境です)。

 

なにごともできる時には、できることをやっておくのがよろしいようです。

 

口コミやウワサだけの話でなく、データを使って小学校名(実名)と年収も載せている

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さて、この『マンションは学区で選びなさい』の本では、データを使って、学歴によって年収の差があること、大卒が多い地域は年収が高くなる傾向があること、親の学歴や年収によって子どもの中学受験率が高くなること、中学受験進学率は地域、さらには学校によって大きく違うことなどが書かれています。

 

それは沖有人氏の会社が運営する不動産情報サイトにデータを公開したことから始まっています。クローズアップ現代+でも公立小移民を取材した折に、データの提供を行ったことからもわかるように、学区による年収の違いなどは多くの人が知りたいデータだったのです。

 

特にマンション購入を検討しはじめるご家庭にとっては、どのような学区を選んだらいいのか、さらには、中学受験の多い公立小学校に入学させたいという思いがあるのでしょう。

 

事実、そのような人気小学校の地域にあるマンションは値段は下がりにくいそうです。それだけ需要があるからです。

 

マンションのような不動産は、買ったときより売ったときのほうがガクンとさがることが普通です。目減りしますからね。それがいわば「付加価値」がついたマンションだと大きく値を下げることがなく、時期によっては値があがることさえあるのです。付加価値に当たるものが、「人気小学校の学区にある」ということなのです。

 

逆に考えれば、そのような学区内にあるマンションを買えば、資産価値が下がらない(下がりにくい)ので、いざという時(たとえばマンションを売らなければならないような時)になっても買い手がいないということは避けられそうですし、たとえ、売らなくても、賃貸に出したとしても借り手がいない、ということも避けられそうです。

 

マンションを購入する時は、賃貸に出しても借り手がいるような場所、売却する時に、買い手がつく場所を選ぶことが大事です。

 

 本書の内容には以下のように書かれていましたが、小学校の実名を知りたい人だけでなく、これからは日本は人口減少時代ということを踏まえながら、住まいはどうすればいいのか、実際にマンションを購入するとなったら考えるべきポイント、さらには住宅ローンのことまで買いてあります。

 

これまで人気学区は口コミに頼る部分が多かったが、 「学区と年収」という新たな指標を与えるのが本書である。 例えば、東京23区でいえば、学区世帯年収トップは以下の通り。 1位 港区立南山小学校 1409万円 2位 千代田区立番町小学校 1151万円 3位 渋谷区神宮前小学校 1067万円 23区トップは港区の南山小学校で、突出した世帯年収だ。 これら1都3県(東京都、神奈川、埼玉、千葉)の 学区年収上位校の解説が本書でなされている。 

 

住宅ローンについては、私と違う考えでしたが、マンション購入のポイント(7つの法則)については、かなり参考になりますよ。「マンションは1に立地、2に立地」ですよね~

 

これからマンションを購入しようと思っている人、特に30代、40代なら、前もって目を通しておくと非常に参考になることでしょう(購入した後に読むと悲しいかも)。マンション購入のポイントについても学べますよ!

 

もちろん、具体的な小学校名やその地区のマンション相場価格を知りたい人もどうぞ!

 

 

 

>>>>マンションは学区で選びなさい(小学館新書)