定年直前になって、もしくは、定年後に慌てて考える生活設計
2016年に書いた記事を加筆しました。
定年退職後になって、現役時代にやっておけばよかったなと思うことは多くの人がけっこう共通しているものです。
現役時代は、毎月お給料が入ってきますし、多少苦しくなってもボーナスがあります。
定年退職後になってからも収入を得るあてのある人ならいいのですが、生活設計の大幅な見直しに迫られます。
定年後はどうしても収入面で大きな伸びが見込まれないからです。そのうえ、最近、人生100年時代に入ったということで、定年後の人生が意外と長いことに気づいていない人がとても多いのです。
最近は、交通事故にあうリスク、病気になるリスクなどよりも、「長生きリスク」を考えたほうがいいんじゃない、と言われているのです。
それで、ですよ。
定年までに見直せばよかったと後悔していること、ですが、
生命保険に加入しすぎていた
住宅ローンの見直しを現役時代にしておけばよかった
の2点が多いのですね。
そのほか、親の介護で思ったよりもお金がかかっただとか、若いうちは、これほど老後は体力がなくなるものとは思わなかったというような30代、40代には思いつかないことがけっこう出てくるものなのです。
年金はやたら、マスコミが騒いでいますので、年金はあてにしていない、という人はけっこういますが、年金以外のことがすっぽりぬけていることも多いです。
お金持ちの方々でしたら、これにプラスして相続税対策を早めに気づけばよかったということもあるでしょう。
定年前に(なるべく早期に)住宅ローンの見直しも必要
住宅ローンを借りた時は、若い時ですよね。
銀行でみなさん、このタイプをお選びですよ、とか不動産会社のモデルルームで薦められたとか、あまり考えていないことがあります。
せいぜいネットで調べてその当時、一番金利が低いといわれたものにした、くらいですかね。
住宅ローンで考えなければならないことは、、、
定年(再雇用制度があっても収入ががくんと減ることが多いのでおそらく60歳)を過ぎてもまだまだ住宅ローンが残ってしまっている、ということに気づいていないことが多いのです。
そのほか、契約時に考えていたよりも返済額がアップしていたという人もいます。
金利変動によって返済額がアップしていた、ということもあるからです。
とにかくけっこう多いのが、60歳を過ぎても住宅ローンが残っているような組み方になってしまっている、ということです。
金利の低いうちに見直さないといけませんね。
かなり前に住宅ローンを借りていた人の中には、途中で金利が上昇するタイプのもので契約している人もいるとのこと。そのころには、出世していて課長か、部長かわかりませんが、給与は大幅アップする見込み、としていた人もいるでしょう。
しかし、実際は子どもの入学金だので教育費がかかったり、親の介護でお金を使ったり、して給与の伸びほどではなかった、ということもあります(入りと出を考えるべきですが)。
もともと以前の固定金利で高いままの金利で住宅ローンを組んでいたという人もいます(最初の3年間だけは優遇金利で安くなっていたタイプの固定金利のタイプも含む)。
一般には、定年後も住宅ローンが残っている、ということに意識が向いていなかったことが多いように感じます。
35歳の時に、35年ローンを組んでしまったということです。35+35=70で、70歳まで住宅ローンが続く、というものです。
中には、今よりもずっとずっと高い金利のまま(それも長期固定金利で)で払っている人もいるのだとか。
まずは、定年時の住宅ローンの残高把握を!再雇用制度があったとしても
人それぞれに年金開始年齢は違いますが、ほとんどの人が65歳から開始でしょう。
60歳から特別支給の老齢厚生年金が出たとしても少ない年金額のはずです。
再雇用制度があったとしても収入は減っているのが実情です。それで同じ金額の住宅ローンを返し続けるのです。
退職金があるからいいさ、の声もありますが、この退職金こそ定年後すぐに手を付けたらいけないのですよ。人生百年時代ですから。
住宅ローンを借りている人の中で、30代、40代であっても(50代ならなおさら)、ぜひとも、定年時(60歳)の時点での住宅ローンはどれくらい残っているのか、試算してみてください。
定年時のローン残高を知っているということが第一歩ですからね。
年金額の増加は見込めない、介護保険や健康保険の保険料は上がる(自分の医療費、介護費用もかかるでしょうが)、定年後の人生は長い、このようなことを忘れずに。
以下が2016年に書いた記事ですが、強調したいのは、定年時の年齢、60歳くらいの住宅ローン残高の把握をして、その前に考えておこう!ということです。
住宅ローンの借り換えを本格的に考えている人が増えているらしいが借りた時期にもよりそうです
東京都の23区内では住宅の売買が活況だそうですが、バブルなのでしょうか。
2016年の現在、世の中の話題は、マイナス金利ですよね。
数年前にも、これ以上金利が下がらないだろう、ということがありまして、住宅ローンを10年前とかに借りていた人は、見直ししたほうがいいですよーという書籍やらムックやら出ていました。
その後はどうなったのか?
私も、最近、そのような数年前の書籍を引っ張り出してチラチラ読んでいましたよ。2,3年前は、マイナス金利になるとは、私も想像していなかったです。
株の世界と同じくもっと下がるのではないか、もっと下がるのではないかと待ちに待つ
世の中、住宅ローンの借り換えを本格的に考えている人が増えているのでしょうね。今回、かなりまとまって書かれていた日経の記事を読みました。
2016年3月26日付、日経マネー研究所の記事より
住宅ローンの借り換え、金利固定や期間短縮を |マネー研究所|NIKKEI STYLE
株価が上昇して、株をいつ売るのがいいのか、の悩みと同じく、金利が下がっていると、もっと下がるのではないか、もっと下がるのではないかと、決断できないで、時を無駄に過ごしてしまうことってあると思います。
借り換えは審査などの手続きに1カ月ほどかかる。ただし手続きがすんでいれば実際の借り換えまで半年ほど待ってくれることも多い。「早めに手続きをすませ、金利情勢を見ながら少し待つのも選択肢」(淡河氏)だ。
とのことですから、 とりあえず手続きだけでもやっておくといいのでしょう。
人間、なかなか腰が重いものですぞ。
とっかかりが難しい。
思い立ったが吉日で、手続きだけでもやっておくといいのでしょう。
もちろん、借り換えするのがお得な人の場合、です。登記には手数料かかりますし、司法書士にも報酬を払いますからね。
損益分岐点を意識することも大事です。
この記事でも、指摘されていますが、途中で金利が上がるタイプのものもあります。今は確かにマイナス金利ですから安いでしょう。
当初10年固定型ですと、その10年後の世界はわかりません。インフレだったら、どうでしょう。
世の中もそうですが、ご自分がどうなっているかもわかりませんよね。今は、安定した会社にお勤めでも、10年後、いきなり、業績悪化なんてこともあります。
とりあえず、どこかで決断しないといけないのですから、賭けになりますが、今のマイナス金利時代で固定型ローンにしておくのが賢明でしょうね。
もちろん、手続きをしたら、さらに金利が下がったということもあるかもしれません。なんだよ、これならもう少し待っていれば良かったぜ、となるかもしれませんが、今から10年前に比べれば安いのですから。
それと記事にもありますが、私が強調したいのは、60歳の時の住宅ローンの残高です。
現在は、65歳まで働けるようになっていますが、60歳で定年になり、その後は、再雇用制度はあるものの、60歳から65歳までの期間、ガクンと年収が下がるケースが多いのです。
自分が勤務している会社はそれほど下がらないと楽観視するのもいいのですが、最悪の事態も考えてやはり、60歳時の住宅ローン残高は、チェックしておくべきでしょう。
できることなら、60歳時にはローン残高、ゼロにしたいものです。
上記、記事には試算の図表が載っていましたので、参考にしてみてください。
(今後の返済総額の部分、総額にするとよくわかります)。
私も、簡略化されたライフプラン作成をやったことがありますが、60歳時点で住宅ローンが残っている人と、残っていない人では、けっこう違いがありました。老後の安心も違ってくるだろうなと、その時しみじみと感じましたよ。
現役世代の時、働いていれば給料日にお金が振り込まれていた時には、実感がないのが普通ですから、ローンは細く長く返していくのがいいと思いがちです。70歳まで返していく予定にしている人もいることでしょう。
しかし、60歳時点での住宅ローン残高には一度は、意識を向けて、気をつけておいたほうがいいですよ。
考えられるリスクは、早めに対処、です。
何冊か、書籍を読んでおいたほうがいいですね。
>>>>マイナス金利時代の 住宅ローン トクする借り方・返し方・借り換え方