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『生涯投資家』村上ファンドで有名な村上世彰氏の本を読んだ

最近の村上氏の写真を見たので変化に驚きながら読みました

初版1刷ゲット、ということで、『生涯投資家』読みました。

書いているうちに長文ブログになってしまいました。

 

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「お金儲けは悪いことですか?」の言葉が印象に残った「村上ファンド」の村上世彰氏の最初にして最後の著作だということで、早速買いました。

 

それにしても私の中では、世間で騒がれていたころ、目のくりくりっとした時代の顔ばかりが浮かんでしまい、本の裏側カバーにある現在の村上氏の写真とのギャップに戸惑いました。

 

さて、本の中身的には、書籍紹介に要約が載っております。

 

本書は、その村上氏の最初にして最後の著書であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの投資において、いったい何があったのか。その投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方はどうなのか。そして今後何をしようとしているのか。

 

いわば、週刊誌的な内容(実状本?)になるので、読み始めると、止まらない感あります。もちろん、物事は両面から見ないといけませんから、あくまでも村上氏から見た側面です。

 

今だから書けることってあるでしょうし、あの当時の世の中の人々の考え方も違っているように感じます。あの頃、数年後くらいの出版だったら、どのような反応があったでしょうか。

 

村上ファンド事件とは何かを知らない世代にも読んで欲しい 

それにしても村上世彰氏は、あのインサイダー取引の容疑の時は、随分叩かれていましたよね。「儲けやがって、このやろう」「ずるい」という気持ちですよね。

 

日本では「嫌儲」という言葉が存在するように、汗水たらして仕事をしないといけない、労働してお金を得るべきという考え方の人がけっこういるように感じます。

 

自分の著作のツイートをリツイートするだけで、「ステマ乙」と言われているのを見たこともあります。

 

今まで広告なしで見ることができたもの(例えばインスタなど)、広告をつけたら、文句を言われるようになったということはよくあります。

 

士業やFPも相談料がかかりますと言うと、「えっ、相談にお金取るのですか?それなら無料相談に行きます」と言われること、けっこうあります。儲けることしか考えていないと取られるのかな。銀行窓口などで「無料」で相談できますからね。

 

余談はさておき、具体的な案件の裏側的なこと、「実はこういうことがあったんだって」とか、「村上氏はこのように思っていたんだって」ということは書きません。物事はそれぞれ見方がありますし、今回の本も、実際に関係する人にとっては内容に文句をつけたいかもしれませんよね。

 村上世彰氏の投資哲学やら人となりがわかってくる

それよりは、村上氏がどのような考えに触れてきたのか(お父さんの影響多し)、どのような考えなのかや人間性を垣間見えるような文を紹介したいと思います。もしかしたら、村上氏をずっと追いかけてきた人には、知っているよ、ということばかりかもしれませんが。

 

村上氏のお父さんは、台湾生まれです。その当時の台湾ですから、日本兵として徴兵されていますし、日本にも留学しています。1950年代に日本に戻り、結婚後、日本国籍取得しています。台湾出身者には日本留学した人は多いです。特に、裕福な家庭や地元の実力者のような家庭です。私も中国留学時代に、台湾出身のアメリカ人と知り合いましたが、台湾と日本はかなり縁が深いのだと思うことが多いです。

 

村上氏のお父さんは、そもそもは会社経営者です。大坂に本社を持ち、東京、香港、シンガポールなどに拠点を持っていたそうですが、従業員にお金を持ち逃げされたりと、経営者としては向いていなかったようで、会社経営には見切りをつけて投資家になったということです。

 

「お金はさみしがり屋なんだ。みんなで戯れたいから、どんどん一ヵ所に集まってくるんだよ」と言っていた。

 

そのお父さんの言葉です。子ども時代にそれを聞いていた村上世彰氏は育ちました。小さい頃から違いますね。村上氏が小学三年生に100万円をもらい、それを自分で運用して、10年間のお小遣いにしたという話は、私もどこかで読んだような気がします。

 

村上氏は高校生の時には仕手株にも挑戦しています。投資は、利確が難しいと言われますよね。連日ストップ高となっていたのに、最高の時に売る決断ができず急落する途中で売ったということです。その時に父の投資哲学を思い出したとか。

 

父はいつも「上がり始めたら買え、下がり始めたら売れ。一番安いところで買ったり、一番高いところで売れるものだと思うな」と言っていた。

 

 私なんかは、とにかく安い時を狙って買おう、高くなったら売ろうと思ってしまいますが、それがまさにシロウト考えです(笑)。あなたも、このような投資哲学を学んでおいたほうがいいかもしれませんよー

 

儲けるには、それだけのリスクもあり

 

そのお父さんが投資としての勝負をかけた時があります。一か八かかけるのですね。子どもがいても守りに入らないのがスゴイことだなと思いました。それは香港フラワーを作る会社への投資です。

 

中国とか香港ウォッチャーの方なら、香港フラワーと言えば、李嘉誠氏が出てきますよね。てっきりその話かと思ったら、李嘉誠氏が中小の工場を統合したとのことで、お父さんは中小乱立していた時代に投資していたようです。その時、早めに香港フラワーの会社を売ってしまったそうで、大儲けをしそこねたと言われたそうです。その理由は村上世彰氏の言葉にあります。

 

それは、村上氏も一緒に香港フラワーの工場に見に行ったのですが、化学薬品の匂いが充満していて目がかすみ、頭が痛くなったと、そんな環境でも労働者はそこで働き続けていたのです。それも村上氏と同じくらいの10代の女の子たちが。その時村上氏が言った言葉が、

 

「お父さん、あの女の子たちをこんな環境で働かせるのはかわいそうだ。こんなことをしちゃいけないよ。ひどいよ」

お父さんも、これにはグッときたようです。

 

私自身が投資や台湾の話に興味があるから、村上氏の本をワクワクして読んでしまったので、ついついブログが長くなってしまいました。その他、村上氏の言葉をいくつか引用して紹介いたしましょう。「はじめに」から私が気になった言葉をピックアップしました。

 

リターン>リスクとなる投資をするのが投資家だ

 

期待値が大きくないと、金銭的には投資する意味がない

投資対象の経営者の資質の見極め、世の中の状況の見極め等、実に様々な要素が含まれる

 

投資家の資質というのは、三割はDNA的に受け継ぐもので、七割は経験だと思う

 

コーポレート・ガバナンスを守らなければ企業は存続する意味がない。しかし、日本の社会では、違う実態がうごめいていた

 

「経営者の資質」、すなわち社長がどんな人か、ってけっこうデカイと思いますね。 そこに投資家は投資をすると。

 

コーポレート・ガバナンスが重要なのは、「資金を循環させること」につながるからという主張です。国の借金だって、資金を循環させないといけませんよね。これは以前にも日本は家庭の金融資産が多いということを何度かブログにも書きました。抱え込んでいる、循環させなきゃということですが、国民性もあるのかなぁ?

 

そのほか、村上氏は料理好きで、実際にかなり凝った料理を作るとか書籍の端々にも人間性がわかることも書いてありました(被災地でハンバーグ千個焼いた話も別の箇所にあり)。

村上世彰氏の娘さんの話が衝撃的でした 。有名人も大変だ

第6章は、IT企業への投資ということで、ベンチャーの経営者たちのことも書いてありますので、投資に興味なくてもIT企業の経営に興味がある人が読んでも面白く読めると思いますよ。もっともっと書きたいことありますが、ネタバレになりますので、このへんで。

 

最後に、2015年の強制調査の時に起こった村上氏の長女のことなど、私の知らなかった衝撃事実もありました(それがきっかけで、この本を書くことにしたそうです)。私が台湾の知り合いに多いと感じる家族の結束感の強さをあらためて村上氏の本を通じて感じました。村上氏が家族を大事にしていることも、ものすごくわかりましたよ。

 

私が思う以上に人気みたいなので、もし、在庫切れになっていた場合、以下のどれかで探しやすいようにと並べておきました。

 

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