長期、分散投資で投資信託を選ぶなら
投資信託だけの話ではないと思うのですが、最近、投資をはじめてみたいという話を聞くようになりました。アベノミクスで株で儲けたという話をちらほら聞き始めた時期もそうでした。
あの頃は、投資に関するセミナーも数多く開かれていて、ずっとアゲアゲでいくといいけどね、と思った矢先に、チャイナショックでした。
投資の世界は、ジェットコースターのような時期を過ごすことがあることをお忘れなく。
ただ、最近の傾向では長期、積立という長い目でやっていきたい人も増えてきているようです。代表的なのが確定拠出年金、個人型確定拠出年金のイデコ(iDeco)ですね。
イデコのような長期の資産運用では、定期預金にも置くよりも投資信託がいいのですが、投資信託には手数料がかかることを忘れてはいけません。
イデコは、最初の手数料や、各月にかかる定額の手数料に気を取られがちですが、保有期間中にかかる信託報酬が保有残高に応じて日々差し引かれることや、何パーセントという数字が低いので、金を払っているという意識が薄れがちになるりやすいものです。しかし、「チリも積もれば」で運用期間が長くなるほど、得られる利益に及ぼす影響は大きくなりますね。
それに関しては、以前に読んだ日経新聞の田村氏が書いた本『はじめての確定拠出年金 (日経文庫)』でも書いてあました。
74ページにある「投信の信託報酬が長期の運用成績を左右」のところです。
10年、20年、30年となる長期積立では信託報酬の0.5%違うだけで、その手数料分も大きくちがってくるのです。
手数料数百円の違いなら、こちらの信託報酬が低い投資信託が選べる金融機関を選んだほうがいいということなども書きました。
ただ、これについても長年ファンドの仕事に携わってきた人にいわすと、それだけでないということです。確かに、利益がでていなければ、信託報酬うんぬんの話の前にそちらを、となりますよね。それと下げ調子に強いとか、安定しているとか、他にも見るべきところはあるでしょう。
しかし、基本は信託報酬が低い投資信託を中心に選んでいけばいいかなと思うのです。あとは、書籍を読んで、おすすめのものや、著者みずから買っているというものを選ぶとかでしょう。
下げ相場と言われても落ち着くことも大事
あと、私が個人的に思っているは、肝っ玉が座っていることが重要かなと。
リーマンショックだ、チャイナショックだ、ITバブル崩壊だとその都度、ビビってしまい、投資信託を売ってしまったというよりは、そういうときこそ、買えるようにしておくのが大事かと。
長期の積立なら、その点、市場が下落しているときこそ、多く買えるからいいやと発想を変えることができるのですけどね。
それでも一部の人は心配するようです。また、多くの人が投資をしたいと市場が加熱しているときこそ、自分もやってみようかなと思って、大金で投資信託を一気にかってしまう人います(積立ではなく)。
私が思う投資の原則は「待ち」ができるかどうか
とある有名ブロガーさんは、ビットコインがまわりで言われはじめてから価格が上がったところで参入して、その後、一気に値が下がったことがありました。その後はソーシャルレンディングですか、そちらにも投資をしたら、そこが問題になっていたりと、参入の時期が早いのだか、遅いのだかわからないようになっています。まわりがいいと思っている時期はすでに遅いと思ったほうがいいかも。
多くの人が参入してくる時期ではなく、多くの人が弱気になっているという時こそ、「買い」の時期なのですけどね。どうも心理的にそのような時はかえって買いづらいようです。
冬の間は、春なんて来ないのではないかと思いがちですが、いずれ春はやってくる。開けることのない夜明けはない、ということ。
リーマンショックから少したったところで、はじめて投資信託を買った人は、今はかなり利益が出ていますよね。
そのように一括で購入する場合は特に、時期をみないといけませんね。お金持ちほど、「待っている」といいますから、待ちの姿勢が大事です。
そう思いますと、今多くの人が読んでいる『はじめての人のための3000円投資生活』なんかは、積立期間が少ないとか、積立したものを取り崩す時期が決まっているとかには気をつけないといけません。本当に長期の姿勢が大事でしょう。たまたまその自分が大きなお金が必要なとき(子どもが大学に入学して学費がかかるとか)に、まさに、そのような時期に○○ショックのようなことが起こらないともかぎりません。
本来ですと、「待ち」の姿勢で長期まっていればいずれ、相場は戻るのですが、それまでの時間がない、そのような時期にぶち当たったとなると悲惨ですね。
待つことができるかどうかも、けっこう大事なポイントだと思いますよ。