埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

ファイナンシャルプランナー用雑記帳、専門家の視点で気になったことを書きます



『退職金バカ』という刺激的なタイトルの本(投資信託関連)を読んでます

投資信託での長期投資を勧める中身の書籍ですが

2月13日は、NISAの日です。NISAで使われるにふさわしいと考えられる投資信託を選んだ「R&I NISA スクリーニング」の基準を満たし た投資信託156本が公表されていまして、そこでも選ばれていたセゾン投信の社長、中野晴啓氏が書いている本を読みました。

 

 『R&I NISA スクリーニング』2017 年版投信評価

https://www.r-i.co.jp/jpn/ie/itr/

 

「バカと言ったら、自分が馬鹿」と小さい頃は、よく言っていたものです。

 

タイトルで、いきなり、バカですよ。『退職金バカ』です。

 

でも刺激的なタイトルとは違い、いたって中身は常識的なことが書いてありました。どーせ、自分の会社の投資信託を買ってもらいたいのだろ、と思うかもしれませんが、セゾン投信はいいぞ、という話より、50歳からの生き方など、それ以外の話が多いです。

 

中野社長は、長期投信の文化を根付かせたいとの願いがあるそうです。それは、この「バカ」シリーズ(?)の前作、『預金バカ』でもわかります(いずれこちらの本についても書きましょう)。

 

とにかく、退職金で投機をしてはいけないのです。ムリをしないことを切々と語っています。投資と投機は違いますよ。

 

投機は簡単に言えば、バクチです。偶然の世界です。もちろん、それで儲かった人もいるでしょう。しかし、それは偶然です。

 

GPIFが株式に投資をしているというと、そんな危ないものに俺たちの年金を使うな!と抗議やら、文句やらいっぱい出てきますよね。

 

どうも日本では投資といいますと、危ないもの、怖いものと思われますが、ギャンブルとは区別して考える必要があります。

 

この本で勧めているのは、以前「3000円投資生活」の記事でもご紹介した、投資信託を購入することです。それも長期でコツコツと、です。

 

yukajimu.hatenablog.jp

 

長期投資なんかより、FXでいいじゃないかと思う人もいるかもしれません。しかし、中野社長いわく、「通貨は、それ自体が価値を増大させることはありません」です。

 

ええ、そうなのです。単に上下の変動を読んで、売買するだけで、企業価値を増やすとかそういうものではないのです。さらに、この上下の値動きは予想つきますか?いきなり、ガーっと動くのが為替相場の世界ですよ。

 

それから比べると、個別株もいいのですが、デイトレーダーのようになれないのが一般人です。私も個別株から入った人ですし、現在も勉強を続けていますが、それでもいまだに難しいと感じます。それどころか、実際に痛い思いをしてきたからこそ、安易に勧めたくないのです。それに株の売買は、プロのファンドマネージャーでも失敗することがあるのです。

 

四季報を毎日読んで、適時開示情報を毎日読んで、研究に研究できる人ならいいのかもしれませんが、それでも判断を誤ることは多いものです。

年金が破綻してほしい人たちの言葉にはバイアスかかって

ところで、この書籍の中で赤線をビービー引きたくなった箇所がありました。

 

それは、「年金破綻かたり商法に近づくな」です。

 

これほんとにそうです。ここにも書いてあるように年金破綻については「危機感を煽ったほうが、ニュースとしての価値が上がると思っているメディア」もあるのでしょうし、そうやって危機感を煽らないと儲からない業界もあるのでしょう。

 

しかし、それでいいのでしょうか???

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年金は破綻すると言っている人たちに惑わされてはいけませんね。年金が破綻してもらいたい人たちは、バイアスかかってます。

 

年金は破綻するから、年金のかわりに、ワンルームマンションを買いましょう、と言われることもあるでしょう。中には、日本だけでなく、海外の物件を買いましょうということもあるようです。

 

(この記事を書いた翌日、ネットで年金はこれから3万円しかもらえない?からと、意味不明の会員になることを勧めているというものを見かけました。不動産だけでなく、転売用の物品を高く売るだとか、会員になると毎月お金が入る仕組みがあるとかの会員に勧誘するなどいろんなタイプがあるようです。)。

 

本当に、年金は破綻するのでしょうか?年金の受給資格期間は、25年から10年に変わります。それくらい政府は年金を払おうとしているのです。第一、年金が破綻したら、今の日本人の高齢者のほとんどが年金に頼った生活ですから、とたんに生活保護が増えます。年金のない高齢者の生活は、成り立たないので、どっと生活保護の人が増えますが、生活保護のほうがよっぽど国としてはお金がかかります。

 

退職金があるから、オレは生活保護にならないと思うかもしれませんね。では、先日発表になった夫婦2人の標準的な年金(月額)221,277円を使って考えてみましょう。

 

約22万円ですから、1年で264万円が年金で支給されます。65歳から85歳の20年間で、5,280万円です。この年金トータルくらいの退職金、もらえますか?貯金を足せばなんとかなりそうですか?これは年金がない世界を仮定していますから、途中で底をつきそうですね。

 

また、地方の商店街は特にそうでしょうが、高齢者の年金によって商店自体が支えられているという点もあります。年金支給日に、地方のスーパーでは売出しをしたり、ドラックストアでも何か買ってもらおうと、特売を行ったりしています。経済活動の一環ですよね。

 

生活保護では自由にお金を使うことができるのでしょうか。これからますます、制限が多くなると思いますよ。最低限しかお金を使わなくなります。

 

確かに、これからは少子高齢化社会で、年金だけで優雅な暮らしはできないでしょう。しかし、それと年金破綻で、1円も入ってこないとは、別物です。

 

それをセンセーショナルに年金は破綻する、とメディアで取り上げて、人々を不安にさせ、ワンルームマンションでも、海外物件でもなんでもいいのですが、そのようなものを買っておけば、年金より安心なのでしょうか?不動産は、入居者がいないと家賃収入がないですよ。穴場の優良な物件ほど、目利きでないと判断がつきませんし、市場に出てこないでしょう。

 

さらに家賃収入ばかり強調されがちですが、大家さん業は、固定資産税など維持費もかかります。壁が壊れただとか、修理費もかかります。リフォーム代もかかるでしょう。

 

年金は破綻するからと思い込み、資産として持つべきものはワンルームマンションなのか。私は疑問です。

 

低金利時代に定期預金ではほとんどお金が増えない時代だからこそ、投資信託による長期投資、分散投資でコツコツと積立投資していくことが、投資の第一歩だと思いますよ。

 

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