埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

ファイナンシャルプランナー用雑記帳、専門家の視点で気になったことを書きます



『はじめての確定拠出年金』日経編集委員の確定拠出年金の本を読みまして

田村正之氏の本を読んだのは2冊めですが

私の趣味は確定拠出年金の本を読むこと、とでも言えそうなくらい、最近は確定拠出年金の本を買っております。

 

そのような本を読むことで一般の方にもわかりやすく説明していきたいとおもっています。とっつきにくい用語も多く、はっきり言ってめんどくさい確定拠出年金の制度ですが(先日も、公務員の方向けに確定拠出年金についてブログを書きましたが)、やったほうがいいと思っているのでいろいろ買って参考にしています。

 

今年に入ってから、特に、9月、10月は、確定拠出年金に関する書籍が出まくりです。だから、買いまくりです(笑)。

 

今回、ご紹介する本は、日本経済新聞社の編集委員である田村正之氏の書籍で、日経新聞社ですから、日経文庫から出ています。文庫というより新書版です。

 

私が以前、田村氏が書いた本で買ったことがあるのは『老後貧乏』の本です。正式タイトルは、『老後貧乏にならないためのお金の法則』でした。この時も、確定拠出年金について、さわり程度は書いてありました。

 

さて、今回の本は新書版ですが、新書版の大きさのわりにはちょっと値段は高いです。でも、最近出ている確定拠出年金に関する書籍は、1,000円以上しますから、ちょっと読んでみようかしら、という人には千円以内という点がいいでしょうね。

 

日経新聞の編集委員の方ですから、丁寧に制度の説明を書いていただいております。ただ、制度のことをまったく知らない人が最初から読むにはしんどいかな。興味ある人なら読み通すでしょうが。

 

わかりやすく表にまとめてあったり、図解したりしているのですが、正確であるがゆえに、どうも硬いのです。最近、出た確定拠出年金の本の中には、説明を絞ったり、イラストを多く使ったりしてとっつきやすいように出来ている本もあります。

 

そのようなものから比べると、新聞の特集の延長版という印象を持ちました。

 

しかし、制度については丁寧に書いてありまして、信頼できます。私なんか、ふせん貼りまくりながら読みましたもの(付箋が多すぎてかえって、探せなくなるのだが)。

 

例えば、このように、誤解しやすい部分にも説明があります。

 

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公的年金でもそうなのですが、誤解を招きやすいような書き方をする人もいるのです。

 

最近も、確定拠出年金は損する制度である、というような論調のものも見つけました。そのような奇をてらうのでなく、正確で誠実な書き方だと思います。

 

それと、155ページにあるのですが「経費削減を狙って選択制を導入する企業もある」という問題点についても、これもきちんと書いてあります。この点は、社労士については連合会を通じて注意するようにということで、社保削減とか節約とか書いてあるサイトは減っているはずです。ただ、コンサルタントとか、ファイナンシャルプランナーの中には、経費節減、社会保険削減を目的に企業にオススメしている人もいると聞きます。このような点も、この本には問題点として忘れずに指摘しているのがいいなと思った次第です。

企業型の確定拠出年金について絞ってもよかったのでは 

しかし、このように丁寧に説明をつくして書いてあること、最近出た本は、個人型確定拠出年金について書いてあるものが多いことなどから、かえって田村氏のような方は、企業型のほうの確定拠出年金に絞って書いてもよかったのではないかと思ったのです。

 

会社の人事、総務の人向けです。それも特に、今まで確定拠出年金を導入してこなかった中小企業の人事部の人向けに。企業型だけだって、マッチング拠出やら、選択制やら、考えるべきポイントがありますよね。さらに新設される個人型確定拠出年金に対する事業主の上乗せ拠出のことなども。

 

日経新聞なのですから、多くの中小企業にも取材していることでしょう(企業型確定拠出年金を導入している、導入していないに関わらず)。

 

その強みを活かしてほしいと思いました。中小企業の実例が多く載っているといいなと。もちろん、この本でも少しは載っていますけどね。

 

実例は、やはり強いですし、そのような取材ができるのもマスコミでしょうから。

 

そのことが同時に、会社ですでに企業型の確定拠出年金をやっている人向けとして、参考になることも書いてあるなという印象になると思うのですよ(この本でも、第4章に書いてあります)。

 

なんて言っても有利な制度なのに、企業型確定拠出年金の運用は6割が「元本確保型」になってしまっているのですから、そのような点についても説明があるといいですよね。長期運用となると、投資に参加しないリスクもあるんだよってことです。

 

新書で、手頃に買えるのですから、会社員向け(すでにやっている人でもいいし、これから検討している会社の人事部向けでもいいし)として、思い切って、絞ってしまってもよかったのではないかと思うのです。会社の実例、従業員の実例は参考になりますから。

 

それでも、現在出ている確定拠出年金に関する本の中では全体像がまとまっていて、注意する点もきちんと書いてあることに好感が持てますので、確定拠出年金について勉強したい人、きちんと知りたい人にはオススメできる本です。

 

>>> はじめての確定拠出年金 (日経文庫)