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埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

生命保険より、社会保険が得意な士業兼業者のファイナンシャルプランナー用雑記帳、気になったことを書きます



厚生年金基金ー企業年金のあれこれその1

FP的話題 企業年金

厚生年金基金と厚生年金保険の違いがわからない人多し

企業年金について勉強中なので、自分の復習を兼ねてブログ記事を書いておきます。書かないと忘れてしまいますからね。

 

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厚生年金基金といいますと、すぐに言われること。

 

それって、厚生年金保険とどう違うの?

 

特に、厚生年金基金解散とか、厚生年金基金破綻とか報道されますと、ますます年金は払ってもダメだろ論調が増えます。しかし、それを読んでみますと、厚生年金保険と混同していたりするところをみますと、世間的には、厚生年金保険(こちらは公的年金)と厚生年金基金は、同じように思われているようです。

 

厚生年金基金は、企業基金なのであります。あまりにもややこしい名称ですからね、仕方がありません。

 

それに対して、厚生年金保険は、国がやっている公的年金です。厚生年金基金のほうは、あくまでも企業独自のものです。

 

厚生年金基金の解散ラッシュについては、ここでは取り上げず、たんたんとどんな企業年金なのかについて書きたいと思います。

 

厚生年金基金は、企業年金の中でも大きく分けて、確定給付型と、確定拠出型に分かれるうちの確定給付型のほうになります。

 

そもそも歴史的には企業年金制度は、この厚生年金基金と適格退職年金がありました。

その後、確定拠出年金(企業型)とか、確定給付企業年金ができました。

 

平成24年3月末をもって、適格退職年金は廃止もしくは、他の企業年金へ移行となりました。この適格退職年金制度がなくなるということに関しては、いろいろと問題があったようです。節税対策として利用されたとか、情報開示が不十分だったとか。

 

それに対し、厚生年金基金はずっと残っていたのですね。

厚生年金基金について

とにかく、厚生年金基金についてかきますと、歴史は古いのです。

昭和41年からあった企業年金の代表的存在なのです。

 

厚生年金基金について学びますと、面白いことに「代行部分」という言葉がでてきます。

 

企業年金なのですが、厚生年金保険の老齢厚生年金の給付の一部を国の代わりに行う(すなわち代行)とともに、企業独自の部分を加算して給付を行っているという変形型なのです。

 

一部とはいえ、国のものも入っているからややこしい。基金側からすると、国のお金も一部入ったうえで、企業年金の上乗せ部分のお金とあわせ運用できます。

 

だから、厚生年金基金に関する報道をみますと、「代行返上」なる言葉がでてくるかと思います。これは国に返上するという意味です。

 

老齢厚生年金の一部を代行していますが、「代行返上」の場合、厚生年金基金から他の企業年金に移る時には国に返上しないといけないのですね。国のお金ですから。そしての頃に上乗せの加算部分を新しい企業年金制度に移行します。

 

 基金の中には、代行割れといいまして、国にお金を返すことすらままならない基金もでています。バブル期は、潤沢なお金だったのに、いまや基金は立ち行かなくなっています。金利もますます低くなり、運用難なのです。

 

なお、「解散」と「代行返上」の違いですが、企業年金連合会にページにはこのように書いていました。

 

よくあるご質問年金Q&A|企業年金連合会

厚生年金基金を解散した後に確定給付企業年金や確定拠出年金を導入することとは異なります。従って、「代行返上」といわれるのは、厚生年金基金から確定給付企業年金へ移行する場合だけです。

 

代行返上は、代行部分を国に返して、加算部分は確定給付企業年金に移行しないといけないのですね。代行部分は国に返したのだから、その部分は国からもらう(実際の手続きは年金事務所)。上乗せの加算部分は、新しい確定給付企業年金の制度からもらうことになります。

 

厚生年金基金の行く先としては、厚生年金基金の解散後は、確定拠出年金(企業型)へ移行したという話も聞きます。

 

暗い話ばかりになっていますが、基金を解散する場合、

1,代議員の定数の4分の3以上の多数による議決

2,基金の事業の継続不能

3,厚生労働大臣による解散の命令

のどれかによります。代議員の議決前には受給者に対して十分な説明義務があります。

 

ただし、2019年までの解散促進期間に限り、総合型厚生年金基金には優遇措置が儲けられています。

まず、基金の代議員会で決議をします。解散には、厚生労働大臣の認可が必要ですが、それには、全加入企業の3分の2の同意、加入員総数の3分の2の同意が必要です。これは本来、4分の3の同意が必要なのですが、解散促進期間にかぎりゆるやかになっています。本来は、4分の3だけど、優遇措置となっているのですね。

 

基金としては、

1,厚生年金基金のまま存続する

2,代行返上して企業年金基金となる

3,解散する

の選択肢があります。

 

ただ、改正法施行後5年経過後から、厚生年金基金の存続が認められる健全基金の要件は、最低責任準備金の1.5倍以上の純資産を維持している、もしくは、最低積立基準額以上の純資産を維持している、のどちらかを満たしていないと、存続が認められなくなります。

 

最低責任準備金とは、代行部分の給付に必要な純資産のこと。最低積立基準額とは、代行部分プラス上乗せ部分、の全体の給付に必要な純資産のこと。

 

それで今、解散ラッシュとかネットで見かけるのですね。

税金関係の取り扱いについて 

支払い時

厚生年金基金の掛金ですが、事業主負担分は、全額損金算入できますし、従業員(加入員)負担分は社会保険控除ができます。

 

受け取り時

老齢給付としては、一時金として受け取る場合は、退職所得控除が使えますし、年金として受け取る場合は、雑所得、公的年金等控除が適用になります。

 

途中で転職などして会社を離職した人は、基金加入10年以上の人で、受給権がすでに発生しているならば、加入していた基金から支給されますので、支給漏れがないように気をつけましょう。元の職場の総務、給与担当に聞くとか、その基金に聞くといいです。

 

基金加入10年未満で受給権が発生していない場合、年金は企業年金連合会から支給されます。私は、厚生年金基金に入ったことがないのですが、知り合いに頼まれて、企業年金連合会に代わりに聞いてあげたことがありますが、けっこう、本人でないと答えられないとか言われまして、結局、郵送で書類を送ってもらうことになりました。

 

なお、平成26年以降は、企業年金連合会への代行部分の資産移換ができなくなり、厚生年金基金本体で管理することになっています。

 

上乗せとしての企業年金である厚生年金基金なのですが、これからは国の年金にプラスしての上乗せ年金としては、おそらく確定拠出年金のほうに移っていくのでしょうね。

 

参考記事

2016年8月26日付け日本経済新聞より

企業年金利回り5年ぶりマイナス 15年度  :日本経済新聞