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埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

ファイナンシャルプランナー用雑記帳、専門家の視点で気になったことを書きます



介護休業の常時介護を必要とする状態とは

介護休業を取る大前提に関わる問題

以前にも書きましたが、介護休業制度では、2週間以上の期間にわたって、「常時介護を必要とする状態」を要介護状態として、その要介護状態にある家族の介護が必要なとき、通算93日まで介護休業を取得できることになっています。

 

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育児介護休業法で定めた労働者の権利として取得できるものになっています。

その時書いたブログ

介護休業制度、平成29年1月から何が変わるか 

 

この時も書きましたが、現在、介護休業制度に関しては、改正されることになっています。

 

それと同じくして、来年1月から施行される予定で、「常時介護が必要とする状態」についても見直しを行っています。

 

ねらいとしては、介護休業を取りやすいものにして、介護離職を防ぐように変えていくということでしょう。

 

あまりにも、介護の状態が重いものでないと介護休業が認められないとなると、絵に描いた餅ですからね。

 

2016年6月18日朝日新聞記事より

 

介護休業、基準明確化でとりやすく 厚労省研究会案:朝日新聞デジタル

 今の基準は「要介護2~3程度」相当とされるが、新基準は明確に「要介護2以上」とし、場合により「要介護1」の一部も対象になる可能性がある 

と報道されていました。

 

基準に関して検討している研究会に関する厚生労働省のページを見てみました。

 

平成28年6月17日付、厚生労働省ページより 

介護休業制度における「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」に関する研究会審議会資料 |厚生労働省

 

ここにある厚生労働省の「たたき台」をみますと、

「常時介護を必要とする状態」とは、以下の(1)、(2)のいずれかに該当する場合であること。

(1)介護保険制度の要介護2以上を受けていること。

(2)①~⑫のうち、 2が2つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。

 

 ①から⑫というものが個別に例示がありまして、1,2,3となっています。例えば、

 

②歩行(5m程度) をみますと、2は何かにつかまればできる、3はできないとなっています(1はつかまらないでできる)。

⑥衣類の着脱、でみますと、2は一部介助見守りが必要で、3は全面的介助が必要となっています(1は自分で可)。

⑧外出すると戻れない、でみますと、2はときどきある、3はほとんど毎日あるとなっています(1は「ない」)。

 

3のレベルとなると、上記の基準でみますと、1つでもあてはまればいいのです。

2だと、2つ以上です。

 

 要介護認定を受ける前に介護休業制度等の利用をしたい人や 要介護認定を受けられる年齢にまでなっていない人については(2)の基準を用いるようです。

 

すでに介護保険の利用者なら判断がわかりやすいですが、まだ介護保険を利用していない人にとっては、(2)で判断してもらうほうがいいわけです。

 

介護といいますと、とかく、身体が動かない、車椅子を使っている(そういうイメージイラストも多い)とか、ベッドで寝たきりというイメージかもしれませんが、認知症の方の場合は、身体的にはなんでも自分でできる、行動できる、座位もできるし、歩行もできる、衣服の着脱もできるし、という方もいらっしゃることでしょう。

 

日常生活をおくるには、支障がでているという基準で考えてほしいなと思いました。一律に、どうこうというよりも柔軟性のある判断となるようにと、願っています。

 

介護休業制度の本格的な改正法施行の前に

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 その後、会議が開かれたので、追記です。

 

介護離職の防止を目的とする主旨の改正について

 

1,介護休業の分割取得(3回まで、計93日)

2,所定外労働の免除制度の創設

3,介護休暇の半日単位取得

4,介護休業給付の給付率の引上げ(賃金67%)

これらは、ほとんどが平成29年1月施行ですので、来年から始まります。ただし、4の給付率引き上げだけは平成28年8月から施行となります。

 

本格的には来年1月から新しい介護休業制度が始まる、ということでこの6月から介護休業制度で休業できる介護、すなわち「常時介護を必要とする状態」というものの判断基準についての研究会が開催されていました。

 

始まりの時に上記のとおりブログに書きましたが、計3回開かれていたのですね。その研究会の報告書のことです。

 

平成28年7月19日に、常時介護を必要とする状態に関する判断基準の研究会が報告書をまとめたそうです。

 

介護休業制度における「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」に関する研究会報告書を取りまとめました |厚生労働省

 

 厚生労働省は、労働政策審議会雇用均等分科会「仕事と家庭の両立支援対策の充実について(建議)」(平成27年12月21日)を踏まえ、平成28年6月に有識者からなる研究会を設け、計3回にわたり介護休業等の対象となる状態であるかを判断するための「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」の見直しについて検討してきました。

 

介護休業法における要介護状態とはどれくらいの状態を指すのか?わかっているようで、わかりにくいものですよね。私たちも、2週間以上の期間で、常時介護が必要な場合ですよと言ってきました。2週間以上ですから、一時的に手術した後に数日間介護が必要、というのは除くということです。

 

そもそも介護保険でいう要介護状態とは違うということです。それに、介護休業は、要介護認定を受けられる年齢にまでなっていない若い人を介護する場合にも利用できるものなのです。また、要介護の認定を受ける前、という人もいます。

 

「要介護状態」とは、育児・介護休業法及び省令上、「負傷、疾病または身体上若しくは精神上の障害によ り、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」とされており、このうち「常時介護を必要とする状態」について局長通達にて基準を示しており、当研究会はこの基準について検討を行ったものです。    

 

このように厚生労働省のページに書いてあるように、局長通達で基準があったのですね。法令で決まっている、というのではなく。ただ、現在の状況にあっていなかったという面もあったそうです。

 

現在は、介護開始時点で8割以上が在宅介護、とのこと。もう少し、休業しやすいものが求められるということでしょう。

 

介護離職を防ぐには、柔軟な対応が対応が必要 

厚生労働省としては、今後、この報告書を踏まえて局長通達を改正し、平成29年1月1日に施行される改正育児・介護休業法等と併せて施行する予定です。

 

ただ、このように局長通達が改正されることになっていますが、これは最低ラインですよね。企業の運用上は、柔軟な対応が求められます。事業主があまりに四角四面のきっちりしたもので決めるのではなく、この基準は基準として、目安くらいに考えておいたほうがいいかと思うのです。

 

また、報告書をざっと見ましたが、やはりこれで最終ということではなく、将来的にはまだまだ検討の余地があるようです。「将来的に検討することが求められる」という文言がありましたから。