埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

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確定拠出年金の改正が決まったけれど、特別法人税はどうなるのか

確定拠出年金についての懸念材料

新聞報道もたくさんされていましたので、目に触れた方も多いと思いますが、平成28年5月24日に確定拠出年金の改正が可決しました。

 

朝日新聞、2016年5月24日付記事

 個人型確定拠出年金、主婦・公務員に拡大 改正法が成立:朝日新聞デジタル

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確定拠出年金について税制面での優遇措置があることは、知っている人も多いことでしょう。

 

掛け金を拠出した時点、運用時点、受け取り時点の3時点において税制面で優遇措置があります。

 

みなさんも、銀行預金で通帳を記帳した時、利息がついていますが、その利息に20%(正確には、現在は20.315%)減らされて入金されていると思います。

 

このようにせっかく利息がついたのに、税金をとられるのですが、これが確定拠出年金だと税金がかからないので、その分有利に増えていきますね。20%を毎年引かれた場合の、たとえば20年後の残高と、引かれなかった場合の20年後の残高では、思ったよりもかなりの違いがでてきます。

特別法人税とは 

実は、確定拠出年金においては、実際に給付される時まで課税が繰り延べされているのですが、年金積立金に対し、法人税法上課税される税金である「特別法人税」があります。掛金を拠出した時点では、年金支給額が確定していないのですから、実際の給付時まで課税を繰り延べることとされていまして、その遅延利息としての意味合いがあり、特別法人税が課されることになっています。

 

この「特別法人税」ですが、あるはあるのですが、現在は、凍結されています。

 

確定給付企業年金、確定拠出年金の場合は、積立金の全額に、一律1.173%の特別法人税が課税される。なお、平成28年度末までは、特別法人税の課税は凍結されている。 

参照:企業年金連合会の用語集より

用語集|企業年金連合会 

 

ひとつだけ懸念材料があると言われているのが、この「特別法人税」です。

 

これが課されてしまいますと、元本確保型の人は元本確保になりません。この低金利の時代、定期預金ですと、完全にマイナスになってしまいます。定期預金でなくても、投資信託などでうまく運用している人でも痛いです。なぜなら、積立金の全額に対してかかってくるからです。たとえ、ある時期、運用益がマイナスにぶれていたとしても、かかってきます。

 

 今回の改正にあたって、参議院から政府へ附帯決議が出されています。

確定拠出年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

上記、PDFを見ていただくと、その5番目に「平成二十八年度末までの間、停止措置がなされている運用時における企業年金積立金に対する特別法人税の課税について、給付時との二重課税防止の観点から、廃止について検討を行うこと」と書かれています。

 

運用時に課税する特別法人税の廃止について検討をしなさいと、参議院での附帯決議に記載されています。

 

附帯決議は附帯決議なので、法律ではありません。政府に対して、これこれこのような点に注意して法律を施行してね、ということです。

 

私は立法のやり方はわかりませんが、できることなら、これを条文に書いてあったら、安心なのになぁと思いました。それとも、附帯決議に書かれていたら、それほど心配すること無い、ということでしょうか?

 

確定拠出年金が始まってから今のいままで、特別法人税を課税したことがない、停止措置だからいいじゃないかということなのかもしれませんが、条文に書いてあるのと、書いていないのでは違いますからね。できれば、修正してほしかったなと思う次第です。

 

【追記】

その後の状況です。

確定ではないのですが、特別法人税、とりあえず3年延長になりそうです。

 

 11月26日に時事ドットコムより引用

www.jiji.com

 

それも盛り込む予定だけで、決定したわけではないのですが。

私の個人的な意見では、確定拠出年金よりも、厚生年金基金や確定給付年金に対して考慮したのではないかと感じています。

 

 

 政府・与党は26日、2017年度税制改正で、企業年金などの積立金に対する特別法人税の課税凍結を3年間延長する方針を固めた。日銀のマイナス金利政策で資産運用に逆風が吹いていることに配慮した。17年度与党税制改正大綱に盛り込む。

 

10年もの国債は0%近辺で推移していることといい、この特別法人税の課税凍結解除となったら、厚生年金基金などはかなりの痛手になりそうです。 確定拠出年金のほうでも、金融機関として売り込みの時、言いにくいですよね。

 

年金積立金への特別法人税は、資産残高に対して年1.173%を課すもので、1962年に導入された。99年からは低金利による運用難を踏まえて課税を凍結してきており、17年3月末がその期限となっていた。厚生労働省などは特別法人税の撤廃も求めていたが、これについては見送る方針だ。  

 

厚労省はもっと頑張れ、ですが、公的年金が高齢者の生活を支えるには不十分なことはわかっていますから、公的年金だけにたよってはダメだというのはわかります(それでも終身で出るから、公的年金は重要)。だからその公的年金に上乗せのところをなんとかしましょうと、そういう時に、特別法人税を課されると、利息がついているんだかなんだかになりそうです。やはり、こういうのは、撤廃するの難しいのですかね。