埼玉のファイナンシャルプランナーのブログ

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高額療養費制度と傷病手当金(健康保険)ー社会保険のあれこれその1

社会保険のあれこれ

先日、会社の新入社員も初月給をいただけますね、と書きました。そこで新社会人の方に、少し社会保険のことを書いておこうかと思いました。

 

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国の制度があっても知らないのでは、もったいないですからね。ということで、新社会人に向けて、シリーズもので書いてみます。おそらく途中で、別のことも書くでしょうが、飛び飛びでも10回くらいは書いてみる予定です。

目次

 

まずは、健康保険

協会けんぽと健康保険組合では、給付に差があるということは以前にも書きましたが、とりあえず、これから書くことは、最低限、決まっていることを書きます。

 

新社会人の方は、協会けんぽか、勤め先の健康保険組合に入りますが、フリーの人、自営の人、個人事業所の方は、国民健康保険、公務員なら共済組合というように、なにかしらの健康保険に入ります。

 

社会保険のことを知る人なら、日本の医療制度は世界に誇れる、ということでしょう。お金がないと医療が受けられない国もあるのです。

高額療養費制度 

安心して医療を受けることができる、それが健康保険です 。まずは、高額療養費制度があることを知って下さい。

とりあえず、70歳未満の方の自己負担限度額についてです。

 

協会けんぽのページより引用

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030

 

平成27年1月診療分から

 所得区分

 自己負担限度額

多数該当

①区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)

 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

 140,100円

②区分イ
(標準報酬月額53万~79万円の方)

 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

 93,000円

③区分ウ
(標準報酬月額28万~50万円の方)

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

44,400円

④区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)

 57,600円

 44,400円

⑤区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)

 35,400円

 24,600円

 

これはあくまでも、現在のものです。平成27年1月診療分からこのようになりました。改正があったのですね(社会保険関係は、改正が多いので、常に最新の情報を得るようにしてください)。

 

新入社員の方なら、もしかしたら区分エの人もいるかもしれません。会社員で何年か働けば多くは、区分ウでしょう。

 

100万円の医療費がかかったら、健康保険の自己負担は3割だから、「げー、30万円!払えないよ」と思うかもしれませんね。

 

おちおち入院できません。しかし、この高額療養費制度があるおかげで、上限があるのです。

 

1ヶ月毎に計算しますから、1日から月末までの医療費で考えます。1ヶ月単位です。

 

区分エの人なら、100万円の医療費でも自己負担3割の30万円ではなく、57,600円で済みます。

 

同じく100万円の医療費の場合、区分ウの人で、80,100円+(1,000,000-276,000)×1%=80,100円+7,240円=87,430円で済みます。9万円以下ですね。10万円までいかないのです。

 

たとえ、医療費100万円が4ヶ月続いたとしても(このような例があるのか私は知りませんが)区分ウ、エの人の場合、4ヶ月目以降はさらに下がり、44,400円になります。

 

しかし、今までは、一旦立て替えて3割分を払い、後から協会けんぽなり、健康保険組合から金額を戻してもらっていました。

 

なぜなら、病院ではこの人が一体いくらの給料の人なのか、どの区分の人なのか、わからなかったからです(以前は、3区分だけでしたが)。

 

現在は、限度額適用認定証というものがありますので、これを加入先の健康保険に申請して、病院に見せますと、支払いの時点で自己負担限度額で済みます。

協会けんぽの例↓

限度額適用認定証

 

さらに「世帯合算」というものもありまして、同じ世帯で複数の人(同じ健康保険証の場合のみ、お父さんと子どものように)が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合、あるいは、ひとりが複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額を合算することができます。

ただし、70歳未満の場合は合算できるのは、自己負担額が21,000円以上のものに限られます。

 

それらを合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、払い戻されます。

 

 最後の世帯合算は、わかりにくいかもしれませんね(その他、細かい決まりもあります。歯科とは分けるなど)詳しくは、協会けんぽや、加入先の健康保険組合に聞いてみるといいでしょう。

 

 要は、健康保険は3割負担だとしても、自己負担の限度額があって、ほとんどの場合、貯金でまかなえる範囲ですよ、ということが言いたいのでした。忘れずに、限度額適用認定証の申請、もしくは、高額療養費制度の申請をして下さい。

国保にはないのがほとんどだけど、傷病手当金について

健康保険の中でも傷病手当金についてです。

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ただ、この制度、お勤めの人中心なのですよ。今回のシリーズは、新社会人の方向けなので、ほとんどの人が自営業やフリーではなく、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合の健康保険だと思いますので、この制度のことも書いておきます。

 

国保の場合は、この制度はないはずです(全国の市町村を調べたわけではないが)。ただ、各職業で、国保組合がありまして(土木建築国民健康保険組合、医師国保など)、その場合は、この制度があるところもあるようです。

傷病手当金は、万が一の病気やケガの収入用

これは、病気やケガで休んだ場合の収入保障ですね。

 

労災ではなく、業務外の病気やケガで仕事ができない、会社に行けなくなったために、給与が勤務先から支払われない、もしくは、少ない場合に支給されます。

 

連続して3日休んだ後、4日目以降の仕事に就かない日に対して出ます。ただし、最長1年6ヶ月までです。

この1年6ヶ月は、同じ病気やケガの場合、途中で仕事に復帰したとしても、その仕事に復帰した期間も含まれますので、注意してください。1年6ヶ月分ということではないのです。1年6ヶ月の間に3ヶ月出勤して給与が支払われていたら、それを含めての1年6ヶ月です。

 

また連続3日間の待機期間は、有給休暇、土日・祝日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。

 

2日休んで、1日出て、2日休んだのような、連続していない場合は、3日間の待機期間にカウントされません。連続して3日休んだ後から、スタートです。

 

 

業務外の病気やケガということですが、自宅療養期間も支給対象期間に入ります。ただ、美容整形など病気とは言えない場合は、ダメです。

 

 

それと、給与が支払われていると傷病手当金は支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されることになっています。

 

傷病手当金の額は、平成28年4月から改正になり、支給開始日以前の継続した12ヶ月の平均の標準報酬月額(簡略化して言えば、支給開始前の1年間の給与の平均)を30日で割って、その3分の2です。改正前は休む直前の給与を急に引き上げるというような好ましくないことがあったために改正となった模様です。

 

他にも細かい規定はありますが、月収の3分の2くらいという目安で考えてください。

 

任意継続被保険者の期間中に発生した病気やケガについては、傷病手当金は支給されないので、気をつけてください。

 

病気の場合など中には、途中で退職をしてしまう方もいるかと思います。退職日まで被保険者期間(健康保険に加入していた期間)が継続して1年以上あって、退職日には傷病手当金を受けている最中、もしくは、受けられる状態であれば、退職後、すなわち健康保険の資格喪失後も引き続いて支給を受けることができます。その場合であっても、1年6ヶ月までです。あと、引き継ぎなどで、出勤して給与を払うとダメですので、それも注意です。

 

その他、障害厚生年金とはダブってもらえない、老齢年金とはダブってもらえない、労災の休業補償給付とはダブってもらえない、出産手当金とはダブってもらえないなど、注意することもあります(ただし、多くは傷病手当金の額が高ければ、差額をもらえるようになっています)。